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2023/09/24 23:14
持ち送りは、建築における重要な技法で、水平に張り出した部分を支えるための部材や構法を指します。この技法は、壁や柱から水平に突き出させ、上部の壁や柱、庇、梁、出窓、棚などの荷重を支える役割を果たします。持ち送りは「コーベル」、「持ち出し」、「受け材」、「持ち送り積み」とも呼ばれ、木製のものは特に「梁受け」と称されます。
持ち送りは、単に構造的な役割を果たすだけでなく、装飾的な要素としても利用されています。そのため、さまざまな材料やデザインが採用され、彫刻や装飾が施されることも多いです。例として、イタリアやフランスのバルコニーを支える持ち送りは、詳細な彫刻が施されたものが多く見られます。
この技法は古くから多くの文化で採用されており、新石器時代から使用されています。中東やスコットランドのゴシック・リヴァイヴァル建築、コリント式オーダー、古代中国の建築など、多岐にわたる地域や時代で見ることができます。
西洋の建築、特に石の構造物が主流の地域では、持ち送りに相当する部分は「コーベル」として知られています。このコーベル技法も古代からの建築に取り入れられており、日本でも「コーベル梁」や「コンクリートコーベル」といった用語で参照されることがあります。