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2023/09/24 23:02

木鼻(きばな)は、日本の伝統的な建築において特徴的な部材で、柱を貫通する頭貫(かしらぬき)、肘木(ひじき)、虹梁(こうりょう)の柱から突き出た部分を指します。この名称は、「木の端」を意味する「木端」が変化して「木鼻」と呼ばれるようになったものです。

もともとは、頭貫や肘木、虹梁の柱から飛び出る部分を直接加工していたのですが、江戸時代以降、装飾目的が強まり、これらの部材とは独立した部品として取り扱われるようになりました。この独立した部品は、柱に引っかけて固定することから、「掛鼻(かけはな)」とも称されます。

木鼻の起源は、鎌倉時代以降に中国から伝わった建築様式、特に大仏様や禅宗様によって確立されたとされています。そのため、木鼻のデザインには、大仏様や禅宗様の特徴が反映されており、それぞれの様式に応じた違いが明確に見受けられます。

多くのお寺や神社の正面には、向拝の左右に鎮座する彫刻があり、これが実際の「木鼻」である。この技術は、鎌倉時代以降の日本の仏教ブームとともに導入されたもので、元々は「木の端(きのはし)=木端」として知られていましたが、時代とともに「木鼻」という名称に変わりました。

中国や韓国にも木鼻のような部材は存在しますが、装飾に特化した形状は日本独特の発展を遂げました。実際に、木鼻は建築構造上の役割は少なく、主に装飾的な要素としての価値が高まっています。ただし、柱の頭部が開かないように木鼻を残すという機能的な役割も考えられています。

この解説文は、木鼻の起源、特徴、役割などを簡潔にまとめたものです。興味を持たれた方は、実際の寺院や神社を訪れて、木鼻の美しさや機能性を直接感じることができます。